I MISS YOU
あれから1年が過ぎた。
彼が、大智がどうしているかわからない。
すでに友達の間では互いの名前が禁句になっていたから。
ある日、電車を待っていた。
私は大智を思って、ただ遠くを見つめるようにしていた。
到着した電車に乗り込む人並み。
その中で動かずいたのは私だけ。
ドアが閉まり、電車が動き出した。
ハッとして、徐行しながら動き行く電車を見ていて 私は目を見開いた。
大智……
彼が、大智が電車に乗っていた。
私に気づいて、同じように目を見開き追っていた。
行く電車、スレ違いに再会した。
それは、あまりにも短い再会だった。
好きで好きで、ずっと今も好きな人……
大智… 会いたいよ……
あなただけなの、私には大智だけ……
「 大智… 」
その場から動けなくなってしまった。
涙が止まらなくて、動けなくなってしまった。
いい加減にしないとと思い次の電車に乗ろうと決めた。
そして、来た電車に乗り込もうとして足を止めた。
耳に、聞こえた気がした。
だから、後ろを振り返って、知った人はいない。
空耳かと乗り込むと聞こえた。
「 和泉っ!!」
階段を駆け上がってきた大智が視界に入った。
瞬間、私の足は電車から降りて無心で大智へ……
飛び込んだ。
「 大智っ… 」
「 和泉…… 」
会いたかった、会いたかったの。