ネグレクト
忘れられない場所
あたしはいっつも叫んでたよ。
「たすけて」って。でもさ、だれも助けてくんなかった。
テレビで、『子供が保護された』なんてニュースを聞くとそんなのフィクションだって思う。こどもに希望を与えるための大人がくれるフィクション。
大学生になってやっと【ネグレクト】って言葉を知った。
あぁ。これかって思ったね。
あたしんちは、自分でいうのもなんだけどたぶんお金持ちだったと思う。
たぶんね。
だって、親の顔なんて同じ家に住んでたけど全く見なかった。
声さえおぼえてなんかいやしない。
けど、家の家具とかそういうのとかはすごく高そうだった。
でも、あそこにはなんもなかった。
空っぽ。
ううん。真っ黒だ。
これが正解。
塗りつぶされた黒。
そんなことをぼんやり考えると、突然声がかかる。
「ユカ?」
「シュウ。遅かったね」
「あ、うん。講義がのびちゃってね。待った?」
「別に」
「そう、今日どうする?」
「なんでもいいよ」
シュウとは、友達の紹介で付き合いだした。
と、いっても私は一度もスキといってないし、
自分の気持ちを伝えたこともないから付き合ってるといえるかどうかはわかんないけど。
シュウは、なぜかわたしがいいらしい。
「たすけて」って。でもさ、だれも助けてくんなかった。
テレビで、『子供が保護された』なんてニュースを聞くとそんなのフィクションだって思う。こどもに希望を与えるための大人がくれるフィクション。
大学生になってやっと【ネグレクト】って言葉を知った。
あぁ。これかって思ったね。
あたしんちは、自分でいうのもなんだけどたぶんお金持ちだったと思う。
たぶんね。
だって、親の顔なんて同じ家に住んでたけど全く見なかった。
声さえおぼえてなんかいやしない。
けど、家の家具とかそういうのとかはすごく高そうだった。
でも、あそこにはなんもなかった。
空っぽ。
ううん。真っ黒だ。
これが正解。
塗りつぶされた黒。
そんなことをぼんやり考えると、突然声がかかる。
「ユカ?」
「シュウ。遅かったね」
「あ、うん。講義がのびちゃってね。待った?」
「別に」
「そう、今日どうする?」
「なんでもいいよ」
シュウとは、友達の紹介で付き合いだした。
と、いっても私は一度もスキといってないし、
自分の気持ちを伝えたこともないから付き合ってるといえるかどうかはわかんないけど。
シュウは、なぜかわたしがいいらしい。