護衛目的の執事です
祖父もこちらに駆け寄ってきている。



痛い。
どうしても、結弦が、凛王が、大切な、人が目の前に居ても。



血が流れていくのが分かる。
服が重くなっていく。



……それと同時に、やっぱりした。



結弦が里香を抱き、優しい眼差しで見つめる事に対して。



いや、違うか。



私より、お似合いだ。



サラサラの腰まである黒髪に、澄んだ黒目。
スタイルも良くて、誰よりも結弦の事が好きなのだろう。



私も、誰よりも結弦が好きだと言えるのに。
言えるのに、どうしてだろう。



ポロっ



結弦「水無月!?」
一同「!?」


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