護衛目的の執事です
けど、逆に綺麗な側転をした水無月は皆に認められて、
晃がスゴかったと褒めた時、舌打ちが聞こえた気がしたのは、気のせいなんかじゃなくて恵だろう。



だって、
癖なのか知らないけど、



水無月が手すりに掴まってた時、
同じように舌打ちが聞こえたから。



屋上でも、さっきでも原因が恵で、
同じ様に水無月がそれを防いで、舌打ちが聞こえた。



昼食前、苺の話をしてすぐ言われた言葉。



水無月『バカですね。結弦様はじめとした凛王は』



作り笑いを浮かべたまま、いつも浮かべてたのに、
僕はそれが嘲笑うみたいに思えて言い返したけど、今考えると、きっと水無月はあの時から分かってたのかも知れない。



苺をその前に庇ったのは、確かに言ってた通りかも知れないけど、
苺と桜蘭の人と話してたのは、そう、親しそうに話してたのは、この事なのかも知れない。



本当に裏切ってたのは、苺じゃないって事。



恵に濡れ衣を着せられたって事。


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