メトロの中は、近過ぎです!
社内恋愛
本社からは他にも二人男の人が来ていて、片付いたばかりの第1会議室に私たちは集まった。

「課長。お久しぶりです。また戻ってきたのでよろしくお願いしますね」

笑顔をふりまく麻紀さんに、4課は麻紀さんが中心なのだとイヤでも気付く。

「しばらくは、ここで……」

課長の説明が耳をかすめて通り過ぎていく。
大野さんは手元の書類に目を落としたまま。
その横にピタリと寄り添う麻紀さん。
時々笑いながらその書類を指差している。

そっちを見ないように書類に集中した。

…………


「参りましたよ。いるだけで疲れました」

戸田君と3課のソファーで休憩していたら、外回りから戻ったばかりの伊藤チーフも寄ってきて

「だからハラマキは大野狙いだって最初に言ったでしょ」
「あんなに露骨だとは思いませんでした」

私も苦笑いで聞いてもらった。

「そんなの可愛いうちよ。もっとすごいと思った方がいいわよ」

あれよりすごい狙い方ってあるのだろうか?

「チーフ。私もう3課に戻ってきたいです…」
「はやっ。まだ始まってもいないのに、何言ってんの」
「俺もです。は~。戻りて~」


< 130 / 309 >

この作品をシェア

pagetop