メトロの中は、近過ぎです!
そんな土曜日はあっという間にきた。

開始時間は5時と麻紀さんから連絡をもらっていたので、戸田君と早めに恵比寿で待ち合わせをして、手土産のお菓子を買って向かった。

教えられた住所には豪華なマンションが建っていた。

広いエントランスホールには高そうなソファーが並んでいて、滝が流れている。
天井は高く、床はピカピカの大理石でまるでホテルのようだった。

私一人で来ていたら、そのまま回れ右して帰っていたかもしれない。

教えられた通りにオートロックの番号を押すと「はい」と大野さんの声が聞こえた。

戸田君と顔を見合わせ「佐々木です」と告げると無駄に大きい自動ドアが開く。

ふかふかの廊下を通り、エレベーターに乗り、目的地に向かった。

戸田君も、最初に一言「すげー」と言ったあとは無言だった。
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