メトロの中は、近過ぎです!
「課長は来ないんですか?」
そっと大野さんに聞いたら、
「課長はね。若いもんだけで親睦深めたらっておっしゃったの」
麻紀さんが答える。
大野さんがワインを開けてみんなのグラスに注いでくれた。オシャレな脚付きのワイングラスに…
「乾杯」
微妙な雰囲気の中、パーティーが始まった。
麻紀さんはキッチンとテーブルを行き来して忙しそう。
まるでこの家の女主人の顔。
キッチンに置いてある調理道具は麻紀さんが揃えたんだろうなぁ
他愛もない仕事の話をして、空いたお皿を下げていた時に、本社からの森田さんが突然私に話しかけてきた。
「佐々木さん。僕、この前、大阪支社に出張してきたんです」
大阪?
イヤな予感がした。
他の人たちもみんな森田さんを見ている。
「高橋主任ですよね?初めて話してきましたよ」
「そうですか…」
やっぱりその話か…
今は大阪支社にいる高橋と私は2年前まで付き合っていた。
関西出身の高橋は大阪支社への異動をずっと願い出ていて、それが認められると同時に最年少主任という肩書もついて、得意気に大阪支社に赴任していった。
それでも二人の仲は続くと思っていた。
だけど、大阪に行ってすぐに事務職の女の子に手を出して、そのまま一緒に暮らし始めたらしい。
私はそのことを知らなかった。
会社のほとんどの人間が高橋の二股を知っていても、私は気付かなかった。
知らないまま大阪支社に遊びに行ってしまい、事実を目の当たりにした。
驚いたのは私だけじゃなく、高橋もその女も突然のことに慌ててた。
大阪支社の中で、別れるの別れないのの痴話喧嘩をやった私は、いろいろあって営業3課に飛ばされた。
高橋も営業職から外されたらしいけど、そんなことはもうどうでも良かった。
だけど、過去は消えない。
会社のほとんどの人たちは私たちが演じた社内恋愛のドロドロをまだ覚えている。
そっと大野さんに聞いたら、
「課長はね。若いもんだけで親睦深めたらっておっしゃったの」
麻紀さんが答える。
大野さんがワインを開けてみんなのグラスに注いでくれた。オシャレな脚付きのワイングラスに…
「乾杯」
微妙な雰囲気の中、パーティーが始まった。
麻紀さんはキッチンとテーブルを行き来して忙しそう。
まるでこの家の女主人の顔。
キッチンに置いてある調理道具は麻紀さんが揃えたんだろうなぁ
他愛もない仕事の話をして、空いたお皿を下げていた時に、本社からの森田さんが突然私に話しかけてきた。
「佐々木さん。僕、この前、大阪支社に出張してきたんです」
大阪?
イヤな予感がした。
他の人たちもみんな森田さんを見ている。
「高橋主任ですよね?初めて話してきましたよ」
「そうですか…」
やっぱりその話か…
今は大阪支社にいる高橋と私は2年前まで付き合っていた。
関西出身の高橋は大阪支社への異動をずっと願い出ていて、それが認められると同時に最年少主任という肩書もついて、得意気に大阪支社に赴任していった。
それでも二人の仲は続くと思っていた。
だけど、大阪に行ってすぐに事務職の女の子に手を出して、そのまま一緒に暮らし始めたらしい。
私はそのことを知らなかった。
会社のほとんどの人間が高橋の二股を知っていても、私は気付かなかった。
知らないまま大阪支社に遊びに行ってしまい、事実を目の当たりにした。
驚いたのは私だけじゃなく、高橋もその女も突然のことに慌ててた。
大阪支社の中で、別れるの別れないのの痴話喧嘩をやった私は、いろいろあって営業3課に飛ばされた。
高橋も営業職から外されたらしいけど、そんなことはもうどうでも良かった。
だけど、過去は消えない。
会社のほとんどの人たちは私たちが演じた社内恋愛のドロドロをまだ覚えている。