メトロの中は、近過ぎです!
「え?なんでいきなり無理なんですか?」

大野さんは焼酎のグラスを置いた。

「みんなが同じ方向向いてる時にまとまるんだぞ。今の3課がまとまってるのは、今のメンバーが同じ気持ちだからだ。前は違ったよ。な、伊藤」
「そうですね。今の3課は仕事しやすいですよね」

主任とチーフがそれぞれのグラスに口をつけた。しみじみ飲むってこういうことなんだろうな…なんて思ってしまった。

「どうやったら、そうなれるんっすかね?」
「あ~。それは…原田だろ」

主任がまたしても言い切るから、

「なんで麻紀さんなんですか?」

私も不思議だった。

「原田は大野を落とすことが第一目的だろ。4課をまとめようなんて思ってないだろ」
「大野。ハラマキにお弁当作ってもらったりした?」
「はい…いただきました」
「あー、やっぱりね。それは本気だね。ね、主任」

チーフが主任にニッコリ微笑みかけたけど、主任は反対の方向を向いて飲んでいる。

あれ?なんか違和感がある。
ふと気付いた私は、ど直球の質問をしてみた。

「主任、麻紀さんとなんかあったんですか?」
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