メトロの中は、近過ぎです!
大野さんがゆっくりと近づいてくる。

「電車で行こうぜ。まだ走ってるだろ」

私の横に並んだその人を見上げると柔らかく微笑んでいた。

これまで一度も見たことないくらいの優しい微笑みで……

どこか懐かしいような、
安心して横に並んでいられるような、
離れてくないって気持ちが湧き起こってくるような、
そんな雰囲気。

その目に吸い込まれるように、私は頷いていた。
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