メトロの中は、近過ぎです!
当り前のように助手席に乗り込むと、車がゆっくり走り出した。
一つ目の信号に止まった時、大野さんがこっちを向いてニヤリと笑った。
「佐々木。お腹空いた」
「は?いきなりですか?」
「あぁ」
「朝ごはん食べて来なかったんですか?」
「あぁ」
なんだか嬉しそうにそう返事をする大野さん。
いつもの仕事モードでは見られないいたずらっ子のような顔で
「くれよ。おにぎり…」
そう言いながら左手を出してくる。
「ダメです。これはお昼用です」
「昼はどっかに入ればいいだろ。今、食いたい」
信号が変わっても引っ込む様子はなさそうなので、おにぎりを一つ取り出して食べやすいようにしてから左手に乗せた。
大野さんは器用に運転しながらおにぎりを食べている。
「旨い」
そんなこと言われたら私も嬉しくなるじゃないですか。
「この梅干、うちの母の自家製なんですよ」
「知ってる」
「この前言いました?」
「うちでは梅干でおにぎり作るとき種を抜いて握ってあったんです」
嬉しくなった私はぺらぺらと昔話をしゃべり始めてしまった。
「私はそれが当り前だと思ってたんですけど、ある日友達のをもらって食べたときに種が入っててビックリしたことがあったんですよ」
「知ってる」
「あれ?その話もしてました?」
「もう一個」
見ると私の膝のすぐそばに大野さんの左手があった。
ドキっと胸が鳴る。
「もう食べたんですか?」
それには返事しないで、ただ左手を上下に動かして催促された。
「少しおかずも作ったんですけど、食べますか?」
「いや、梅干のおにぎりがいい」
大野さんはそれから一気に3つもおにぎりを食べた。
最後にすごく満足気に
「ごちそうさん」
ニヤリと笑ってそう言った。
一つ目の信号に止まった時、大野さんがこっちを向いてニヤリと笑った。
「佐々木。お腹空いた」
「は?いきなりですか?」
「あぁ」
「朝ごはん食べて来なかったんですか?」
「あぁ」
なんだか嬉しそうにそう返事をする大野さん。
いつもの仕事モードでは見られないいたずらっ子のような顔で
「くれよ。おにぎり…」
そう言いながら左手を出してくる。
「ダメです。これはお昼用です」
「昼はどっかに入ればいいだろ。今、食いたい」
信号が変わっても引っ込む様子はなさそうなので、おにぎりを一つ取り出して食べやすいようにしてから左手に乗せた。
大野さんは器用に運転しながらおにぎりを食べている。
「旨い」
そんなこと言われたら私も嬉しくなるじゃないですか。
「この梅干、うちの母の自家製なんですよ」
「知ってる」
「この前言いました?」
「うちでは梅干でおにぎり作るとき種を抜いて握ってあったんです」
嬉しくなった私はぺらぺらと昔話をしゃべり始めてしまった。
「私はそれが当り前だと思ってたんですけど、ある日友達のをもらって食べたときに種が入っててビックリしたことがあったんですよ」
「知ってる」
「あれ?その話もしてました?」
「もう一個」
見ると私の膝のすぐそばに大野さんの左手があった。
ドキっと胸が鳴る。
「もう食べたんですか?」
それには返事しないで、ただ左手を上下に動かして催促された。
「少しおかずも作ったんですけど、食べますか?」
「いや、梅干のおにぎりがいい」
大野さんはそれから一気に3つもおにぎりを食べた。
最後にすごく満足気に
「ごちそうさん」
ニヤリと笑ってそう言った。