メトロの中は、近過ぎです!
「もう食べた?」
「ああ」
大野さんが笑っている。
なんだか雰囲気が違う。
前は、いかにも良い人そうな笑い方だったのに、今は自然と顔が緩むって感じ。
「運転、気をつけてね」
「おう」
こっちの大野さんの方が断然話しやすい。
「途中、眠たくなったら無理しないこと」
「はっ。誰に言ってんだよ」
でも、そんな風に自信たっぷりの姿、
直視できなくなるからやめてほしい。
「あの…これが浜松工場の入口で、こっちが工場の事務所。奥が工場長の部屋」
マーカーで線を入れていく作業に必死で集中してるのに
「ここは一方通行だから、面倒でも遠回りしなきゃいけなくて…」
「なあ」
「うん?」
大野さんに説明を遮られて、思わず大野さんを見てしまった。
意外と近くにいる大野さんに鼓動が早くなる。
「3課っていつもこんな感じなのか?」
あぁ、仕事の質問か…
「いつも?いつもこんなに忙しいのかってこと?」
「いや…まとまってるよな」
「あー、うん」
「一人一人はすごく個性的で単独プレーなのにな…」
何が言いたいんだろう。
「嫌い?」
「いや。すげー好き」
私が言われたわけじゃないのに頬がものすごく熱くなる。
隠すように資料に目を落とすと、
「これ、ありがとう」
大野さんが工場の見取り図を持ち上げた。
「うん。気を付けて…」
「おう」
長い脚で戻って行く大野さんの背中が、一段と大きく見えたような気がした。
どうか無事で帰ってきますように…
「ああ」
大野さんが笑っている。
なんだか雰囲気が違う。
前は、いかにも良い人そうな笑い方だったのに、今は自然と顔が緩むって感じ。
「運転、気をつけてね」
「おう」
こっちの大野さんの方が断然話しやすい。
「途中、眠たくなったら無理しないこと」
「はっ。誰に言ってんだよ」
でも、そんな風に自信たっぷりの姿、
直視できなくなるからやめてほしい。
「あの…これが浜松工場の入口で、こっちが工場の事務所。奥が工場長の部屋」
マーカーで線を入れていく作業に必死で集中してるのに
「ここは一方通行だから、面倒でも遠回りしなきゃいけなくて…」
「なあ」
「うん?」
大野さんに説明を遮られて、思わず大野さんを見てしまった。
意外と近くにいる大野さんに鼓動が早くなる。
「3課っていつもこんな感じなのか?」
あぁ、仕事の質問か…
「いつも?いつもこんなに忙しいのかってこと?」
「いや…まとまってるよな」
「あー、うん」
「一人一人はすごく個性的で単独プレーなのにな…」
何が言いたいんだろう。
「嫌い?」
「いや。すげー好き」
私が言われたわけじゃないのに頬がものすごく熱くなる。
隠すように資料に目を落とすと、
「これ、ありがとう」
大野さんが工場の見取り図を持ち上げた。
「うん。気を付けて…」
「おう」
長い脚で戻って行く大野さんの背中が、一段と大きく見えたような気がした。
どうか無事で帰ってきますように…