メトロの中は、近過ぎです!
翌日、起きるのが大変だったけど、なんとかメイクも完璧に、髪も巻いて駅に向かった。

56分発、3両目。
シンさんはベンチに座って待っていてくれた。

「おはようございます」

私に気づいてニッコリ微笑んだ整った顔。

今日も一日幸せだな~

ほらね。シンさんに会えばそれだけで疲れも吹き飛ぶ。


「今週の日曜日は予定ある?」

シンさんが耳元で囁いてくる。

混んでる車内とはいえ、耳元で言われるとドキドキする。
そんな私の気持ちには気付かないのか、シンさんはまた耳元で言葉を続けた。

「デートしようか?」

ついにきた!

真っ先にそう考えてしまって、更に耳まで赤くなってしまった。

「マホ。返事は?」

なんでこの人はそんな何でもない一言にいちいち色気を含んで話すんだろう。

何度も頷いてドキドキしてるのを必死に隠した。
< 94 / 309 >

この作品をシェア

pagetop