冷たい君の甘い秘密
「えーっと…」
…名前、なんだっけ!?
「俺、成宮 千里(なるみや ちさと)。次は名前忘れないで欲しいな」
う"っ。バレてる。
「ごめん!」
「ハハッ、いーよ。
俺のことは名前呼びでいいから……あれ?」
あたしの顔をのぞき込む千里くん。
スッと通った切れ長な目が、頭良さそう。
千里くんはあたしの前髪に指を伸ばすと
「ゴミついてたよ」
ニコッと笑って、前髪についてたゴミを見せてくれた。
「あ、ありがと」
「ううん。
汐那ちゃんって髪の毛綺麗だよね」
そう言うと、あたしの髪の毛に指を絡ませてきた。