冷たい君の甘い秘密
「早くしろよ」
「あ、ごめん!!」
慌てて水瀬くんの隣を歩き始めた。
一緒に帰るはいいけど、さっきからずっと無言。
き、気まずいぞ。
なにか会話を……!
話の話題を探していると、水瀬くんが立ち止まった。
「その格好寒くねーの?」
「え?…あー!さっき慌てて出てきたからマフラーとか置いてきちゃったみたいで…」
「……あほ」
そう言った水瀬くんは、自分のマフラーを外すと、あたしの首に巻く。
「え!?マフラー…」
「そのままだと風邪ひくだろ」
まぁバカは風邪ひかないと思うけど、と付け足す水瀬くん。
「…ありがと!」
最後の一言は聞かなかったことにしよう。