冷たい君の甘い秘密
「………」
ジーッとあたしを見つめる水瀬くん。
なんであたしのことそんなに見つめて………
はっ!!
も、もしかしてこ、こ、こくは……
するといきなりあたしの唇をコートの裾で拭って。
「………ブスのくせに化粧してんじゃねーよ」
「ぶっブス!!?」
自分は別に可愛いわけでもないと自覚はしているけど、さすがに面と向かって“ブス”と言われたのは人生初で。
ショックを受けてるあたしにお構い無しに、歩き出す水瀬くん。
ていうか
「あたしのことそんなに嫌い!!?」
あたしの問いかけに水瀬くんは振り返らないまま立ち止まると、
「嫌いだよ、お前なんか」
そう言って再び歩き出した。
ぬわっ!!!!
普通そんなにはっきり言うかー!?