侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
レイモンド様は私にはずけずけ言うくせに、ふぅん、恋人のこういう非常識な態度には、なぁんにも言わないんですねぇ、本当にお優しいこと……。

むしろそっちにイライラします!!
お金と子供で繋がった花嫁だからって、舐めてもらっちゃ困るんですけど!

おーっほっほ……とまずは声高らかに笑って、お次は、
「あぁら失礼マ何とか様、二人の絆を見せつけたいんだか何だか良く分かりませんけど、わたくしこの人には、これっぽっちも執着なんてございませんのよ。それどころか結婚初日から、気分屋の夫の失言暴言、意味不明な発言に翻弄されて、ハッキリ言ってくったくたですの。そのうえ貴女に訳の分からない挑戦状まで叩きつけられては、いい迷惑ですし困ってしまいますわっ! この人で良ければレンタル大歓迎ですから、とっとと連れて行って、見えない所でお好きなだけお楽しみ下さいませ!!」

バーバラ様をイメージし、派手に言い放ちました。

マリー様は唖然といった感じ。

「エセル……」
ポツリと言ったレイモンド様のお顔には、静かな怒りと様々な負の感情が見え隠れしています。

「マリー、行こう」
不機嫌にふぃっと顔を背け彼女の腰を抱き、二人は去って行きました。

おととい来やがれっ! 

胸の奥がもやもやと騒めきます。
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