侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
「セルル、僕らも踊ろう?」
「あ…の、ごめんなさいダンスは駄目なの」
アンディーは、ぱちぱち瞬きしながら、
「どうしたの、足でも捻ったのかい?」
と不思議そう。
自嘲気味に笑いながら、頭を小さく横に振って、
「恥ずかしいんだけど、私のダンスが下手過ぎて、侯爵様を呆れさせてしまったの。で、『僕が恥をかくから他の誰とも踊るんじゃないっ!』ってそういう事……。けど私のファーストダンス、そんなに酷かった?」
と小首をかしげるも「『酷かったよ』なんて言えるはず無いわよね?」と、肩をすくめてまた苦笑い。
悪戯っぽい菫色の瞳が、三センチの距離でじぃっと私の瞳を覗きこんできます。
「カッコ良すぎて目まい起こしそうだから、アンディーやめて!」
アンディーは吹き出し、お腹を抱えて笑いながら、
「セルル、侯爵の言葉を真に受けたんだね? 君ってホントバカだね……」と。
あらら、笑い過ぎて涙目になってます。
「なによ、あなたより賢い人なんて、そうそういないでしょう? もしかして私、侯爵様に揶揄われたってこと?」
「だいぶ違うけど、僕を振った君には教えてあげないっ!」あはははは……
「もうっ、そんなに笑わないでよっ!」
「ごめん、けど笑うよっ、確かにセルルのダンスは酷かったしね」
「まっ、あなたまでっ! 仮にも今日の主役相手に、それ言っちゃうのはまずいでしょう!?」
と、目を丸くして少し頬を膨らませれば、
「だってワルツを踊ってた時の君、お伽話のプリンセスも真っ青なくらい可憐で可愛くて、どうして一緒に踊ってるのが僕じゃないんだろう? って切なくて仕方なかったんだから。ったくこの一ヶ月失恋から立ち直ろうと必死だったのに、水の泡さ。あぁあ、セルルってば本当に酷い! 直前までここに来るべきかどうか迷ってたんだけど、来なきゃ良かった……」
と、最後の辺りは少し芝居がかった拗ねた口調でぶつぶつ。
一方私は純粋過ぎる愛の告白に、熟れたトマトも真っ青なほど、ぶわっと頬が染まってゆくのを感じました。
「あ…の、ごめんなさいダンスは駄目なの」
アンディーは、ぱちぱち瞬きしながら、
「どうしたの、足でも捻ったのかい?」
と不思議そう。
自嘲気味に笑いながら、頭を小さく横に振って、
「恥ずかしいんだけど、私のダンスが下手過ぎて、侯爵様を呆れさせてしまったの。で、『僕が恥をかくから他の誰とも踊るんじゃないっ!』ってそういう事……。けど私のファーストダンス、そんなに酷かった?」
と小首をかしげるも「『酷かったよ』なんて言えるはず無いわよね?」と、肩をすくめてまた苦笑い。
悪戯っぽい菫色の瞳が、三センチの距離でじぃっと私の瞳を覗きこんできます。
「カッコ良すぎて目まい起こしそうだから、アンディーやめて!」
アンディーは吹き出し、お腹を抱えて笑いながら、
「セルル、侯爵の言葉を真に受けたんだね? 君ってホントバカだね……」と。
あらら、笑い過ぎて涙目になってます。
「なによ、あなたより賢い人なんて、そうそういないでしょう? もしかして私、侯爵様に揶揄われたってこと?」
「だいぶ違うけど、僕を振った君には教えてあげないっ!」あはははは……
「もうっ、そんなに笑わないでよっ!」
「ごめん、けど笑うよっ、確かにセルルのダンスは酷かったしね」
「まっ、あなたまでっ! 仮にも今日の主役相手に、それ言っちゃうのはまずいでしょう!?」
と、目を丸くして少し頬を膨らませれば、
「だってワルツを踊ってた時の君、お伽話のプリンセスも真っ青なくらい可憐で可愛くて、どうして一緒に踊ってるのが僕じゃないんだろう? って切なくて仕方なかったんだから。ったくこの一ヶ月失恋から立ち直ろうと必死だったのに、水の泡さ。あぁあ、セルルってば本当に酷い! 直前までここに来るべきかどうか迷ってたんだけど、来なきゃ良かった……」
と、最後の辺りは少し芝居がかった拗ねた口調でぶつぶつ。
一方私は純粋過ぎる愛の告白に、熟れたトマトも真っ青なほど、ぶわっと頬が染まってゆくのを感じました。