侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
「エセ…ル?」
「侯爵、唇の外に薄っすらですが口紅の痕が付いていますよ」
ルースは両眉と片方の口の端を上げ皮肉っぽく笑った。
しまった、ついさっきマリーに無理やり陰でキスされて……、酔った上での冗談だと彼女は悪びれもせずに言い、そんなにゴシゴシ拭わなくても色は落ちたと笑っていたが、未だ残っていたのか。
「あなたこそ彼女を放っておいてお楽しみだったのに、何の権利があって責めるんですか?」
ルースは冷ややかな言葉と視線を僕に投げてくる。
「エセルは私の妻だ、貞淑さを求めるのは夫として当然の権利だ! お前なんかにとやかく言われる筋合いは無いっ!」
「ほほほほ、忘れていましたけれど、あなたは確かに紙切れの上では、今日からわたくしの夫でしたわね」
ついさっきまで薄っすら涙を浮かべて必死だったのが嘘のように、エセルはくっと顎を上げ、琥珀の瞳を意地悪く輝かせている。
「侯爵様、わたくしに貞淑さを求めるのでしたら、いくらそちらのバニーちゃんがお好きでも、最低限のルールは守って楽しんで頂かなければ困ります」
「バ、バニーちゃんですって!?」
傍に立っているマリーが甲高い声を上げる。
一応訂正しておくか、それに
「エセル、彼女はマリーだ。それに僕は」マリーと楽しむつもりなど無い。
全て言い終わる前に、エセルが遮る。
「侯爵、唇の外に薄っすらですが口紅の痕が付いていますよ」
ルースは両眉と片方の口の端を上げ皮肉っぽく笑った。
しまった、ついさっきマリーに無理やり陰でキスされて……、酔った上での冗談だと彼女は悪びれもせずに言い、そんなにゴシゴシ拭わなくても色は落ちたと笑っていたが、未だ残っていたのか。
「あなたこそ彼女を放っておいてお楽しみだったのに、何の権利があって責めるんですか?」
ルースは冷ややかな言葉と視線を僕に投げてくる。
「エセルは私の妻だ、貞淑さを求めるのは夫として当然の権利だ! お前なんかにとやかく言われる筋合いは無いっ!」
「ほほほほ、忘れていましたけれど、あなたは確かに紙切れの上では、今日からわたくしの夫でしたわね」
ついさっきまで薄っすら涙を浮かべて必死だったのが嘘のように、エセルはくっと顎を上げ、琥珀の瞳を意地悪く輝かせている。
「侯爵様、わたくしに貞淑さを求めるのでしたら、いくらそちらのバニーちゃんがお好きでも、最低限のルールは守って楽しんで頂かなければ困ります」
「バ、バニーちゃんですって!?」
傍に立っているマリーが甲高い声を上げる。
一応訂正しておくか、それに
「エセル、彼女はマリーだ。それに僕は」マリーと楽しむつもりなど無い。
全て言い終わる前に、エセルが遮る。