侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
室内にいるのは確かにあのルイーズ様ですが、危険な目に遭っているのではなく、お手上げポーズをしながら「撃たないでくれ!」と小刻みに頭を振る青年紳士に、至近距離で銃口を向けています。
目を疑うような光景にこれ以上ないほど目を見開き、暫し呆然としました。
それにしても保守的で絶対に道を踏み外さなそうな方が、どうしてこんな事を。
私は夢を見ているのでしょうか?
「ル…イーズ様」
無意識に零れ落ちた言葉に反応し、彼女がチラリとこちらを見ました。
漆黒の瞳には、怒りの他に怯えが浮かんでいるような。
その刹那、数名の紳士によってルイーズ様は取り押さえられたのです。
「まったく何て執念深い女だ!」
さっきまで震えていた紳士は、吐き捨てるように言いました。
「ハリー、これはどういう事だ?」
驚きと呆れを滲ませ問い掛けるレイモンド様。
二人はお友達でしょうか?
「とんだ余興を披露して済まないな、レイ」
ハリー様と呼ばれた方は皮肉っぽく肩を竦めてから、
「彼女の妹と婚約解消したのを根に持って、僕に銃を向けたのさ。こっちはきちんと慰謝料も払っているし、恨まれる筋合いなんて無いのに、まったく」
その言葉が終わらないうちに、ルイーズ様は取り押さえられたままの姿で小さく叫び始めたのです。
目を疑うような光景にこれ以上ないほど目を見開き、暫し呆然としました。
それにしても保守的で絶対に道を踏み外さなそうな方が、どうしてこんな事を。
私は夢を見ているのでしょうか?
「ル…イーズ様」
無意識に零れ落ちた言葉に反応し、彼女がチラリとこちらを見ました。
漆黒の瞳には、怒りの他に怯えが浮かんでいるような。
その刹那、数名の紳士によってルイーズ様は取り押さえられたのです。
「まったく何て執念深い女だ!」
さっきまで震えていた紳士は、吐き捨てるように言いました。
「ハリー、これはどういう事だ?」
驚きと呆れを滲ませ問い掛けるレイモンド様。
二人はお友達でしょうか?
「とんだ余興を披露して済まないな、レイ」
ハリー様と呼ばれた方は皮肉っぽく肩を竦めてから、
「彼女の妹と婚約解消したのを根に持って、僕に銃を向けたのさ。こっちはきちんと慰謝料も払っているし、恨まれる筋合いなんて無いのに、まったく」
その言葉が終わらないうちに、ルイーズ様は取り押さえられたままの姿で小さく叫び始めたのです。