侯爵様のユウウツ 成金令嬢（←たまに毒舌）は秀麗伯爵がお好き？

静かになった室内で、深く頭を下げ、何度も謝罪の言葉を口にするルイーズ様。

気持ちは十分過ぎるほど伝わってきましたし、頭をあげて下さい、と声をかけましたが、でも……と気が済まない様子です。

「穏やかなルイーズ様なんて、まるでトゲの無い大輪の薔薇じゃありませんの」

「あら、それっていけませんの？」

「やだ、わたくしとしたことが、ある意味完璧なものに例えてしまいましたわ」

おどけて言ったあと、ルイーズ様と顔を見合わせ吹き出して笑い合いました。

笑顔が見れて本当に良かったと思った時、ルイーズ様は静かに話し始めたのです。

「今回の事で、自分がいかに小さな世界で生きていたのかを思い知りました。いいえ、薄々分かってはいたのです。でもそれを認める事は出来なかった」
一瞬間を置いて、
「もしわたくしが子供を持てるような事があるならば、その子には、偏見だけは植え付けないようにしたいと思います。子供には幸せになって貰いたいですもの。出来れば、あなたのようなお友達に恵まれて欲しい」

「ルイーズ様……」
鼻の奥がツンとします。