侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
昨夜のアンディーほどではありませんが、舌の滑りが悪いので、酔っているのは明らかです。
恐る恐る顔を上げると、いつもはきちんとしている髪はぼさぼさで、まるで羊飼いの少年のよう…とか考えてる場合じゃない!
目が三角で怒っているのは明らかですが、色々な感情が絡まり合っているようです。
「ああ、昨日結婚した僕の薄情な奥さんか。顔見てやっと分かったよ」
フッと口元は綻びましたが、目は全然笑っていません。
一瞬言葉に詰まるも、機嫌を直して欲しい気持ちがせり上がり、溢れ出します。
「侯爵様、ごめんなさい……。ほんの少しルイーズ様に添い寝するつもりが、ついうっかり眠り込んでしまったんです。全てわたくしの」
「言い訳なんて聞きたくない!!」
尖った声で言葉を遮り、視線を逸らすレイモンド様。
「ですが旦那様、昨日は花嫁である奥様が、誰よりもお疲れだった筈ですし、妊娠中はとにかく眠いものだとよく耳に致し」
なだめるようなリードマンの言葉もスパッと切って、
「そんな事は言われ無くても分かってるっ!! 僕はただ、同じベッドで一緒に眠りたかっただけだ」
最後の辺りは声が小さく殆ど聞き取れませんでしたが、寂しかった事は伝わって来ました。
「侯爵様……」
「メイドを三度も客室へ行かせて、君を揺す振らせたけど、全然起きなかったそうだ。ははは、君、本当は起きたんじゃないのか? 僕と同じベッドで寝るのが嫌で、それでずっと眠ったふりを」
「そんな、誤解です」
無意識に頭を横に振っていました。
私が悪いのですが、そんな風に思って欲しくはありません。
恐る恐る顔を上げると、いつもはきちんとしている髪はぼさぼさで、まるで羊飼いの少年のよう…とか考えてる場合じゃない!
目が三角で怒っているのは明らかですが、色々な感情が絡まり合っているようです。
「ああ、昨日結婚した僕の薄情な奥さんか。顔見てやっと分かったよ」
フッと口元は綻びましたが、目は全然笑っていません。
一瞬言葉に詰まるも、機嫌を直して欲しい気持ちがせり上がり、溢れ出します。
「侯爵様、ごめんなさい……。ほんの少しルイーズ様に添い寝するつもりが、ついうっかり眠り込んでしまったんです。全てわたくしの」
「言い訳なんて聞きたくない!!」
尖った声で言葉を遮り、視線を逸らすレイモンド様。
「ですが旦那様、昨日は花嫁である奥様が、誰よりもお疲れだった筈ですし、妊娠中はとにかく眠いものだとよく耳に致し」
なだめるようなリードマンの言葉もスパッと切って、
「そんな事は言われ無くても分かってるっ!! 僕はただ、同じベッドで一緒に眠りたかっただけだ」
最後の辺りは声が小さく殆ど聞き取れませんでしたが、寂しかった事は伝わって来ました。
「侯爵様……」
「メイドを三度も客室へ行かせて、君を揺す振らせたけど、全然起きなかったそうだ。ははは、君、本当は起きたんじゃないのか? 僕と同じベッドで寝るのが嫌で、それでずっと眠ったふりを」
「そんな、誤解です」
無意識に頭を横に振っていました。
私が悪いのですが、そんな風に思って欲しくはありません。