侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
背だけの問題では無く、面影が全くありません。

あまりの衝撃に言葉も出ない私の顔をアンディーは面白そうに見つめながら、
「セルル、ちょっと散歩に付き合ってよ」とウインク。

こんな状況ですが、くぅぅ、カッコ良すぎます!

そして彼は腕を組んでとばかりに、肘を少しクイクイさせてアピール。

こういう茶目っ気たっぷりな仕草は確かに昔のアンディーと繋がりますが、見た目があまりにも違いすぎ、私は気恥ずかしさから、何も気付いていませんという素振りで、ほんのり明るいお庭を歩き始めました。

刹那、アンディーは無言で私の手を取ると、少し強引に自分の腕に絡めさせ、何事も無かったかのように歩き出したのです。

急にアンディーって言われても、イメージ全然違うからーっ!!

そもそもその学校に貴族の子弟なんて居ませんでしたし、アンディは小作人のお爺ちゃんと2人暮らしでした。
でも、そのお爺ちゃんが亡くなり親戚に引き取られる事になったため、途中で遠くへ引っ越してしまったのです。

私が知っているアンディーの顔や髪や体や服には、いつも泥やほこりや垢が付いていて、全体的に薄汚れた感じの男の子でしたが、それが将来、まさかこんな超絶美形な伯爵様になるなんて!

魔法レベルの『醜いアヒルの子』っぷりに、もう笑うしかありません。

それに身長だって……

アンディーは私より三歳年上でしたが、背は私より若干低く、当時私は年齢相応の背丈でしたので、彼の成長は明らかに遅れているように見えました。

それがあらまぁ、今では百九十センチ位の長身に化けています。

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