侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
「セルル、会いたかったよ。間抜けな事に僕は君の苗字すら分からなくて、探せなかったんだ」
「私も会えて嬉しいわ」
「そう言えばさっきのウィザーク侯爵とのダンス、あたふたちょこまか、まるで沢蟹みたいで可愛かったよ」
とクスリ。
「さわ…がに?(出ました、またもや甲殻類!!) あたふたちょこまかって、絶対馬鹿にしてるでしょう!?」
「馬鹿になんてしてないさ、ホントに凄く可愛かったし。ただ、侯爵と凄ぉく仲が良いんだなぁって、ちょっと面白くなかったけどね」
アンディーは少し拗ねたように言いましたが、全ての真相を知っている私は可笑しくて吹き出し、否定の意味で手を高速でひらひらさせました。
「仲がイイ? ナイナイ。侯爵様にとって私は口の悪い平民の小娘だし、私もあの方の事は、傲慢なグレートデンくらいにしか思っていないもの。相手が犬だと思うと、色々言われても大抵のことは我慢できるものよね。ふふふ」
「ふぅん、そ、じゃぁ、彼の話はもうおしまい……。セルル踊ろう?」
「あの、え?」
アンディーは、戸惑っている私をよそに腰に手を回し、ゆったりとした音楽に合わせリードし始めました。
空からはプラチナの光が降り注ぎ、庭園には幼馴染と言われても今一つ実感が湧かない美麗な伯爵様と二人きり。
優しい表情を浮かべる彼とのスローステップなダンスはロマンチックムード満点で、魔法にかけられたようにうっとり酔わされてしまいました。
ふいにアンディーの足が止まり、彼は静かな瞳で私の顔を見つめ、瞼に優しく口付けたのです。
彼もロマンチックな気分になったのでしょうか?
私は気恥ずかしい反面、少しも嫌ではありませんでした。
「私も会えて嬉しいわ」
「そう言えばさっきのウィザーク侯爵とのダンス、あたふたちょこまか、まるで沢蟹みたいで可愛かったよ」
とクスリ。
「さわ…がに?(出ました、またもや甲殻類!!) あたふたちょこまかって、絶対馬鹿にしてるでしょう!?」
「馬鹿になんてしてないさ、ホントに凄く可愛かったし。ただ、侯爵と凄ぉく仲が良いんだなぁって、ちょっと面白くなかったけどね」
アンディーは少し拗ねたように言いましたが、全ての真相を知っている私は可笑しくて吹き出し、否定の意味で手を高速でひらひらさせました。
「仲がイイ? ナイナイ。侯爵様にとって私は口の悪い平民の小娘だし、私もあの方の事は、傲慢なグレートデンくらいにしか思っていないもの。相手が犬だと思うと、色々言われても大抵のことは我慢できるものよね。ふふふ」
「ふぅん、そ、じゃぁ、彼の話はもうおしまい……。セルル踊ろう?」
「あの、え?」
アンディーは、戸惑っている私をよそに腰に手を回し、ゆったりとした音楽に合わせリードし始めました。
空からはプラチナの光が降り注ぎ、庭園には幼馴染と言われても今一つ実感が湧かない美麗な伯爵様と二人きり。
優しい表情を浮かべる彼とのスローステップなダンスはロマンチックムード満点で、魔法にかけられたようにうっとり酔わされてしまいました。
ふいにアンディーの足が止まり、彼は静かな瞳で私の顔を見つめ、瞼に優しく口付けたのです。
彼もロマンチックな気分になったのでしょうか?
私は気恥ずかしい反面、少しも嫌ではありませんでした。