侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
かくなる上はさっさと食べて、一刻も早く家に帰る事だけが私の望み。
品があろうと無かろうと、カトラリーを動かす手を休めるつもりはありません。

止まったら死ぬ! サメ見習って頑張ります!! 

よしっ、ヒラメのカルパッチョ砂風味 摂取完了! 
つぎっ、何とかのテリーヌ! 
美しく成形された四角形を果敢に攻めようとしたその時……

「君はここの料理が気に入ったようだな。何よりだ」

ち、違うから~。

「ええ美味しゅうございます侯爵様、ほほほ」

この人さっきからワイン飲んでばっかで、食がほとんど進んでないし、めちゃくちゃ困るんだけどー! 

「あの侯爵様、冷たいものは冷たいうちの方が、より美味しいと言うものですわ。協力、いえ、お召し上がり下さいませ」

猫三匹のっけてにっこり。
お、重い、レイモンド、はよ食べろっ! 

「侯爵様、父との約束があるからと言って、気を使って頂く必要は全くございませんのよ。夜会でしたら別行動をとれますが、こんな風にディナーですと、ずうっと一緒に過ごして頂かないといけませんので(私が本当に大)迷惑でございましょう?」

「いや気にする事は無い、良いのだ」

良くないってー!
修行と思って今夜は耐えますが、こんな苦行荒行、次は絶対御免です!

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