侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
そうこうしている間にも、苛立たし気な騒めきと、棘を感じる靴音はだんだんと大きさを増し、やがてぴたりと止まりました。
そして十人くらいの皆様が二部構成で声を揃えて、
「「「レイモンド様、大丈夫ですか!?」」」
「「「ウィザーク様、大丈夫ですか!?」」」
と。それはもう息がぴったり合っていて、本当に仲が宜しいですわね……おほほ。
「エセル様、レイモンド様にしつこくした上に叩くなんて、どういうおつもり!?」
「おおかたレイモンド様に迫って相手にされなかったから、暴力を振るったのでしょう?」
「あなたが元もといらっしゃった階級では、色々な事を暴力で解決なさるのかも知れないですけれど、上流階級でそれを押し通そうとなさるのは、お止めになって!!」
「品のかけらも無くて、本当に見苦しいですわ!!」
と、皆さん一斉に集中攻撃。
言葉の刃は本当に良く切れます。痛い……。
堪りかね、「色々誤解があるようですが、暴力を振るったのは事実ですし」と言って、「お騒がせして申し訳ございません。このままおいとましますわね」と続けようとしましたが、レイモンド様が口を挟みます。
「全てエセル嬢に寂しい思いをさせた私の責任です。彼女をこれ以上責めるのは止めて貰いたい……」
あん゛?
今こいつ何て言った!?
『寂しい思い』だ?
そんな事言ったら、私が大好きな侯爵様にかまってもらえず、癇癪起こした……。みたいに皆一斉に誤解するだろーがっ!!
このぉぉ、大嘘つき侯爵がぁぁ!! イライラッ
……ブツッ
「あぁあ、ホンっトやってられませんわね。皆さま、ずうっとご覧になっていたんでしょう!? わたくしが、このオレ様侯爵から逃げようとしたところは、見えていませんでしたの!? 驚くような解釈でストーリーを展開なさって、皆様ある意味天才ですわね。マーベラス、エクセレント、一周回ってリスペクトですわ! とにかくわたくしは、アーモンドだろうがレイモンドだろうが、一グラムたりとも要りませんの。喜んで差し上げますから、とっとと引き取って下さいませっ!」
お父様をイメージしながら身振り手振りを加え、巻き舌で言いました。
ご令嬢方は、唖然呆然……。
あ、グレートデン(レイモンド様)は何だかしゅんとしてしまいました。
そして十人くらいの皆様が二部構成で声を揃えて、
「「「レイモンド様、大丈夫ですか!?」」」
「「「ウィザーク様、大丈夫ですか!?」」」
と。それはもう息がぴったり合っていて、本当に仲が宜しいですわね……おほほ。
「エセル様、レイモンド様にしつこくした上に叩くなんて、どういうおつもり!?」
「おおかたレイモンド様に迫って相手にされなかったから、暴力を振るったのでしょう?」
「あなたが元もといらっしゃった階級では、色々な事を暴力で解決なさるのかも知れないですけれど、上流階級でそれを押し通そうとなさるのは、お止めになって!!」
「品のかけらも無くて、本当に見苦しいですわ!!」
と、皆さん一斉に集中攻撃。
言葉の刃は本当に良く切れます。痛い……。
堪りかね、「色々誤解があるようですが、暴力を振るったのは事実ですし」と言って、「お騒がせして申し訳ございません。このままおいとましますわね」と続けようとしましたが、レイモンド様が口を挟みます。
「全てエセル嬢に寂しい思いをさせた私の責任です。彼女をこれ以上責めるのは止めて貰いたい……」
あん゛?
今こいつ何て言った!?
『寂しい思い』だ?
そんな事言ったら、私が大好きな侯爵様にかまってもらえず、癇癪起こした……。みたいに皆一斉に誤解するだろーがっ!!
このぉぉ、大嘘つき侯爵がぁぁ!! イライラッ
……ブツッ
「あぁあ、ホンっトやってられませんわね。皆さま、ずうっとご覧になっていたんでしょう!? わたくしが、このオレ様侯爵から逃げようとしたところは、見えていませんでしたの!? 驚くような解釈でストーリーを展開なさって、皆様ある意味天才ですわね。マーベラス、エクセレント、一周回ってリスペクトですわ! とにかくわたくしは、アーモンドだろうがレイモンドだろうが、一グラムたりとも要りませんの。喜んで差し上げますから、とっとと引き取って下さいませっ!」
お父様をイメージしながら身振り手振りを加え、巻き舌で言いました。
ご令嬢方は、唖然呆然……。
あ、グレートデン(レイモンド様)は何だかしゅんとしてしまいました。