侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
何がどうしてこうなった……って、妊娠したからですわね。

知っているのはお医者様と看護師さん、父と私、それから隣にいる、この無駄に外見が良いレイモンド様だけで、弟も執事もメイドも知りません。
 
妊娠判明から今日まで一ケ月、たっっったの一ケ月ですよ! 
ホント我ながらドびっくりですが、世の中的にも異例中の異例の速さでこの日を迎えました。

もともとお腹が目立つ前に一刻も早くという事で、父とレイモンド様は内々に話し合っていましたが、図らずも国王陛下がこの結婚を強く強く後押しして下さり、スピード挙式となったのです。

勿論陛下は、デキ婚だ何てご存知ありませんけどね。

レイモンド様、父、私に伝言ゲームのように伝わった話によると、陛下から賜った馬で、レイモンド様がレースに優勝なさった事が社交界の話題を独占し、国王陛下はそりゃ~もうご満悦になられたそうです。

そして陛下はレース後のプロポーズの話も全てお聞きになり、
『それ程までに愛し合っているのであれば、余からの優勝の祝いだ、ウィザークよ、一刻も早く式を挙げるが良い!』
とレイモンド様におっしゃって、大司教様にも働きかけて下さり、その他諸々一気に動き、あれよあれよと本日のウエディングと相成りました。

ところで『それほどまでに愛し合っている』って誰の話ですか!? 
と突っ込みたくなるのですが、レース後求婚された私は嬉しさのあまり気絶したって事で、社交界では話が纏まっちゃっているそうです。

くぅぅ、お腹の子の為にも、一刻も早く式を挙げなければいけないのは事実ですから、色々思うところはありますが、まあ良しとしましょう……。

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