侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
「ははは、それに君は結婚に愛を望んでいるようだから、結婚生活と同時進行で恋愛ごっこくらいしてやっても良いと思っている。つまり君は私の妻だけでなく、恋人にもなれるわけだ」
自信たっぷりに、またへんなこと言い始めた~。
「取り敢えず『侯爵様』と呼ぶのはやめて欲しい。妻や恋人なら、やはり『レイ』が良いのだが、『レイモンド』でも良しとしよう。さ、呼んでみたまえ」
と小さく顎をしゃくる書類上の我が夫。
心の中ではいつも名前で呼んでるけど、口に出すのは気恥ずかしい。
自分でもどうしてなのか分からないけど……。
結局、両眉を上げ意地悪く微笑んで、誤魔化すように
「ん? それって美味しいナッツの事ですか?」と。
し、白けるかしら……
「それはアーモンドだ……」
呆れ顔でため息交じりに付き合って下さいました。
あらっ、全然期待してなかったけど……ふふっ。
「まあ、なんて綺麗な指輪でしょう!」
「指輪? ……あぁダイヤモンドか」
あら、あらあら
ノリが良いというか……ホント意外。
「今度は難しいですわよ? ふふふ。わぁ、このジュース、さっぱりすっぱくて凄く美味し~」
「すっぱいジュース? あぁレモネードだな? けっこう簡単だったぞ、って違う! 僕の名前はレイモンドだ!」
ちょっと楽しい。
思わず声を出して笑ってしまいました。
私の顔をじいっとご覧になっていたレイモンド様は、
「君の笑顔は結構可愛い……と、言えるのかも知れない」
とぽそり。
「ふふ、お世辞なんてどうなさったんです? 無理なさらないで……。ふふふ」
「いや……お世辞では……」
レイモンド様は少し顔を赤らめて、ボソボソ。
「お話し中、失礼致します」
「リードマン、ノックもせずになんだ」
「ノック? しましたけど? 返事が無いからそっと開けたら、『アーモンド』だ『ダイヤモンド』だおっしゃって、仲良さそーに遊んでいらっしゃいましたからお気付きにならなかったのでしょうねぇ。ははは」
リードマンは、少し意地悪で意味ありげな視線をレイモンド様に投げてから、いかにもデキる副執事の顔に戻り、
「旦那様、先ほど大奥様がお見えになられましたので、ご挨拶に行かれた方が宜しいかと存じます」
と付け加えました。
「なにっ、母上が!?」
さっと顔色を変えるレイモンド様。
波乱の幕開けです。
自信たっぷりに、またへんなこと言い始めた~。
「取り敢えず『侯爵様』と呼ぶのはやめて欲しい。妻や恋人なら、やはり『レイ』が良いのだが、『レイモンド』でも良しとしよう。さ、呼んでみたまえ」
と小さく顎をしゃくる書類上の我が夫。
心の中ではいつも名前で呼んでるけど、口に出すのは気恥ずかしい。
自分でもどうしてなのか分からないけど……。
結局、両眉を上げ意地悪く微笑んで、誤魔化すように
「ん? それって美味しいナッツの事ですか?」と。
し、白けるかしら……
「それはアーモンドだ……」
呆れ顔でため息交じりに付き合って下さいました。
あらっ、全然期待してなかったけど……ふふっ。
「まあ、なんて綺麗な指輪でしょう!」
「指輪? ……あぁダイヤモンドか」
あら、あらあら
ノリが良いというか……ホント意外。
「今度は難しいですわよ? ふふふ。わぁ、このジュース、さっぱりすっぱくて凄く美味し~」
「すっぱいジュース? あぁレモネードだな? けっこう簡単だったぞ、って違う! 僕の名前はレイモンドだ!」
ちょっと楽しい。
思わず声を出して笑ってしまいました。
私の顔をじいっとご覧になっていたレイモンド様は、
「君の笑顔は結構可愛い……と、言えるのかも知れない」
とぽそり。
「ふふ、お世辞なんてどうなさったんです? 無理なさらないで……。ふふふ」
「いや……お世辞では……」
レイモンド様は少し顔を赤らめて、ボソボソ。
「お話し中、失礼致します」
「リードマン、ノックもせずになんだ」
「ノック? しましたけど? 返事が無いからそっと開けたら、『アーモンド』だ『ダイヤモンド』だおっしゃって、仲良さそーに遊んでいらっしゃいましたからお気付きにならなかったのでしょうねぇ。ははは」
リードマンは、少し意地悪で意味ありげな視線をレイモンド様に投げてから、いかにもデキる副執事の顔に戻り、
「旦那様、先ほど大奥様がお見えになられましたので、ご挨拶に行かれた方が宜しいかと存じます」
と付け加えました。
「なにっ、母上が!?」
さっと顔色を変えるレイモンド様。
波乱の幕開けです。