侯爵様のユウウツ 成金令嬢(←たまに毒舌)は秀麗伯爵がお好き?
「母上、お久し振りです」

「久し振りだわね、レイモンド、……それにしても、いくらミミズが小蛇になっても、暴れる前に避妊だけはしてあげないとダメでしょう? ねえ、エセルさん」

うっと一瞬言葉に詰まるも、なにがしかの答えを期待している様子のゴージャスなダリアの視線に耐え切れず、
「え……、ええと……、予防したうえでよそで」
というところまでは言えましたが、そのあと「発散して頂ければ良かったのかと」と言いかけたところで、話しを持って行かれます。

「えっ!? 今後狂暴なレイモンドは、避妊をしっかりしたうえで、よその女性に出し入れして来なさいって? 仕事とセックスは家に持ち込んじゃダメって事ね? あ~らエセルちゃん、あなた見かけによらず中々言うじゃないのー。とても気に入ったわ、合格よ!」

さん付けからちゃんに変更ね、とか考えてる場合じゃなくて……、話ぶっ飛び過ぎでしょーがっ!!
私いま、茹で蟹よりも真っ赤なはずです。

レイモンド様がたまにトンチンカンな事を言うのは、きっとこの方譲りですね。
なんて考えながら油断していると、また目の前から手りゅう弾が投げ込まれて来ました。
あひ~

「レイモンドぉ、今後エセルちゃん以外の女の子とセッンンする時は、しっかり避妊するように! 『今日は大丈夫な日なの。うふっ』とか、多分トラップですからヨロシク!」

って、花嫁の目の前で、今日結婚した息子に言う言葉がそれですか~??

レイモンド様は目が点です。

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