侯爵様のユウウツ 成金令嬢（←たまに毒舌）は秀麗伯爵がお好き？

絶妙な印象で後れ毛を残しながら、緩やかに結い上げられた髪と、さりげなくアイラインを強調したデカ目メイク。

誰これ？　
と見慣れぬ自分に違和感ありありですが、腕前だけなら２人ともお世辞抜きで匠レベルです。
なにせ素材が……おほほ。

続いて着替え

「わたくし達、奥様がお嫁に来て下さって本当に嬉しいんです」
と、声を弾ませて言ってくれたのは年下のジェーン。

「えっ？　気を遣わなくて良いのよ……、だって……ほら……あれでしょう？」

声がだんだん小さくなります。

そんな私ににっこりしながら、今度はベル姉さんが、
「奥様はお高くとまっていらっしゃいませんし、表情や仕草に明るさや優しさが滲み出ていらっしゃって、本当に素敵です」

嬉しくて、木に登っちゃいそうです。ブヒブ！

年下ジェーンが楽し気に、
「それに、とってもお可愛いらしいですし。旦那様とのお風呂での遣り取りも、恋人同士のコントのように可愛いらしくて、思わずわたくし達笑ってしまったんですよ」

「ちょっとジェーンっ！」
と、たしなめるように言うベル姉さん。

「いけない、わたくしったら余計な事を、ご無礼を申し上げましたっ」

たらりと背中にイヤぁな汗を感じます。
ジェーンの上を行く慌てっぷりで、聞きたくないけど聞かずにはいられません。