御曹司のとろ甘な独占愛
「あの……その翡翠の指輪を作ったのは、劉伯睿という男性なのですが、台湾本社にいるクラフツマンの中に、同じ名前の人はいませんか!?」
「日本人には馴染みがないかもしれないけど、台湾人の苗字はかなり種類が少ないんだよ。劉って苗字は学校のクラスに一人か二人、絶対いる感じなんだよな。オレの陳だったらクラスに何人もいる。とにかく、本社にも劉は何人かいると思うぜ」
「そうなんですか……」
一花はしゅんっとうなだれる。
確かに、この貴賓翡翠も創業者から代々『劉』という苗字だ。
「そう落ちこむなって! 本店に行けば、こいつのクラフツマンが見つかるかもしれない。うちの会社にいなくても、クラフツマン同士のつながりがある」
陳支社長はペンライトの電気を消すと、ルーペと共に応接テーブルの上へ置く。
指輪を隅々まで丁寧にクロスで磨きながら、彼は穏やかな顔をした。
「英語も上手だし、台湾本社には興味はないか? まあ、今すぐってわけじゃなくて。向こうで将来、日本語可能な販売員が足りなくなったらだが」
「え? ええっ!? でも私、中国語は全然出来ないんですが……っ」
「日本人には馴染みがないかもしれないけど、台湾人の苗字はかなり種類が少ないんだよ。劉って苗字は学校のクラスに一人か二人、絶対いる感じなんだよな。オレの陳だったらクラスに何人もいる。とにかく、本社にも劉は何人かいると思うぜ」
「そうなんですか……」
一花はしゅんっとうなだれる。
確かに、この貴賓翡翠も創業者から代々『劉』という苗字だ。
「そう落ちこむなって! 本店に行けば、こいつのクラフツマンが見つかるかもしれない。うちの会社にいなくても、クラフツマン同士のつながりがある」
陳支社長はペンライトの電気を消すと、ルーペと共に応接テーブルの上へ置く。
指輪を隅々まで丁寧にクロスで磨きながら、彼は穏やかな顔をした。
「英語も上手だし、台湾本社には興味はないか? まあ、今すぐってわけじゃなくて。向こうで将来、日本語可能な販売員が足りなくなったらだが」
「え? ええっ!? でも私、中国語は全然出来ないんですが……っ」