御曹司のとろ甘な独占愛
飛行機を出ると、むわりとした熱風が全身を包む。
湿った空気には微細な水滴が含まれているかのように、皮膚にひたりとくっついた。日本とはまた違った種類の暑さだ。
多くの観光客で混雑していた入国審査を抜けると、一花はトランクを押しながら到着ロビーへ向かう。
「担当者さん、だいぶ待たせちゃったよね……っ」
申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、きょろきょろと周囲を見渡した。
到着ロビーはもっと混雑しており、旅行会社のガイドや他の企業の担当者の掲げるプラカードでいっぱいだ。
「えーっと、えーっと……」
うろうろしながら探していると、トントン、と肩を叩かれた。
「山越一花さん、ですよね?」
「あっ、はい! そうです!」
流暢な日本語で話しかけられ、あっけにとられる。
慌てて声のした方を振り返ると、『日本貴賓翡翠、山越一花様』と書かれたプラカードを持った、驚くほど端麗な美貌の青年がいた。
湿った空気には微細な水滴が含まれているかのように、皮膚にひたりとくっついた。日本とはまた違った種類の暑さだ。
多くの観光客で混雑していた入国審査を抜けると、一花はトランクを押しながら到着ロビーへ向かう。
「担当者さん、だいぶ待たせちゃったよね……っ」
申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、きょろきょろと周囲を見渡した。
到着ロビーはもっと混雑しており、旅行会社のガイドや他の企業の担当者の掲げるプラカードでいっぱいだ。
「えーっと、えーっと……」
うろうろしながら探していると、トントン、と肩を叩かれた。
「山越一花さん、ですよね?」
「あっ、はい! そうです!」
流暢な日本語で話しかけられ、あっけにとられる。
慌てて声のした方を振り返ると、『日本貴賓翡翠、山越一花様』と書かれたプラカードを持った、驚くほど端麗な美貌の青年がいた。