御曹司のとろ甘な独占愛
(……実際、伯睿って何者……? なんか堂々としてるし、格好良すぎるし……)

 美しい顔立ちの青年の稀に見る冷徹な雰囲気に、一花は思わずキュンとしてしまう。

(って、何考えてるの……! 集中しないとっ。覚えることはたくさんある!)

 ショーケースの鍵を閉める。商品の詳細を確認しながら、新しく触れ合う商品の特徴を暗記した。

「進んでいますか?」 

 店内での指示が終わったらしい伯睿がこちらへやってきた。

「はい、一応は……」

 一花は時計を確認し、あと数分で開店ということを知ると、表情を強張らせる。

「このタブレットを使ってください。在庫確認もここからできます」

 販売員一人一人に配布されているタブレットを受け取りながら、一花は先程から気になっていたことを聞いてみることにした。

「つかぬ事をお伺いしますが、どういったご職業で……?」

 一花の質問に、伯睿はふっと視線だけを一花へ送る。
 思わせぶりに流し目で見つめ、そして。

「貴賓翡翠の副社長、かな?」

 少し面白がるような声音に、一花はぽかんと口を開けた。
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