御曹司のとろ甘な独占愛
 ゆっくりと優しく、時間をかけて、伯睿に何度も丹念なキスをされる。

 柔らかく熱い口づけに、一花は身体が蕩けて、今にもくたりと倒れてしまいそうだと思った。


 そうして、伯睿は名残惜しそうにそろりと唇を離しながら、一花の腰を抱き、グッと力強く引き寄せる。

「あっ……」

 痺れるような揺蕩に、一花は思わず声が漏れる。
 伯睿は瞳の奥に揺らめく熱を隠さずに、王子様然とした優雅な微笑みを浮かべた。

「……それから、きみを恋い慕う俺の気持ちが全く届いていないようなので。今日は俺の気が済むまで、きみを堪能させてもらおうかな」

 伯睿は一花の両手を焦れったく絡めとると、ゆっくりとソファに押し倒す。
 まるで眼前にある美味しそうなものを見つめるみたいに、うっとりと艶やかな笑みを浮かべた。

「これなら逃げられませんね。俺の頭の中が一花でいっぱいだってこと、証明して差し上げます」

 彼女の耳元で、甘くとろけるような低い声音で囁く。
 一花は降参して、上目遣いで弱々しく伯睿を睨んだ。

「いじわる……」

「ははっ、褒め言葉として受けとっておきます。…………焚きつけたのはきみですから」
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