御曹司のとろ甘な独占愛
◇
貴賓翡翠本店では、朝からゆったりとしたお客様の流れが続いていた。
開店から一時間が経った頃。
エントランスに立っていた制服を身にまとったドアマンが、店内に向かって扉を開く。
《いらっしゃいませ。ご来店ありがとうございます》
年若い男性のお客様が一人、フロアに足を踏み入れる。
一花や伯睿と同じくらいの年齢だろうか。亜麻色の髪に琥珀色の瞳の青年は、翡翠の並ぶ棚を目にすると、小さく笑みを浮かべた。
上品なブリティッシュスタイルのスーツを着込み、伯睿のようにネクタイではなく、アスコットタイをふんわりと結んでいる。
王子様のようにキラキラと輝いているのに、どことなく王様のような抗いがたい雰囲気があった。
騎士のような王子様の雰囲気を持つ伯睿とは、まるで正反対だ。
近づきがたい雰囲気ではあるが、彼が「なるほどね」と日本語を呟いたのを耳にして、一花は意を決して声をかけてみることにした。
貴賓翡翠本店では、朝からゆったりとしたお客様の流れが続いていた。
開店から一時間が経った頃。
エントランスに立っていた制服を身にまとったドアマンが、店内に向かって扉を開く。
《いらっしゃいませ。ご来店ありがとうございます》
年若い男性のお客様が一人、フロアに足を踏み入れる。
一花や伯睿と同じくらいの年齢だろうか。亜麻色の髪に琥珀色の瞳の青年は、翡翠の並ぶ棚を目にすると、小さく笑みを浮かべた。
上品なブリティッシュスタイルのスーツを着込み、伯睿のようにネクタイではなく、アスコットタイをふんわりと結んでいる。
王子様のようにキラキラと輝いているのに、どことなく王様のような抗いがたい雰囲気があった。
騎士のような王子様の雰囲気を持つ伯睿とは、まるで正反対だ。
近づきがたい雰囲気ではあるが、彼が「なるほどね」と日本語を呟いたのを耳にして、一花は意を決して声をかけてみることにした。