不誠実なカラダ
「だけど、俺、好きな女ができたんだ。」

知ってたけど、実際本人から言われると、辛い。

「だからもう、その女しか抱かない事にした。」

「もう、試したの?」

「まだ。」

「まだなのに、その子だけに決めるの?」

「恋愛って、そう言うモノだろ?」


私には分からない。

好きになったら、身も心も満足したい。

感情があるから、体も満足する。

そんな理屈は、私には通らない。


「ご馳走様。素敵な恋愛理論、その子に通るといいね。」

「からかうなよ。いい大人が。」

尚太は、照れながらレジに、お会計をしに行った。


いい大人か。

まだ大学生の尚太にとっては、社会人の私が大人に見えるんだろう。

でも私はまだ、子供なのかもしれない。

理性なんて考えずに、快楽に溺れていたいのだ。


私はスマートフォンを取り出すと、部長にLineをした。

【今日は、どうですか?】

返ってきた言葉は、【お前の家、どこ?】だった。
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