不誠実なカラダ
だって私だって、尚太を想像しながら、部長に抱かれている。

「そんなの、お互い様です。」

「おまえにも、好きな男がいるもんな。」

そう言って部長は、私の唇を厭らしく貪った。


そう。

私達のきっかけは、尚太に別な女ができたかもしれないと分かって、不覚にも会社を休んだ時だった。

出社した次の日。

部長は私を、飲みに誘ってくれた。


『会社を休むなんて、高杉らしくないな。どうした?』

『男に、振られたんです。』

私は、部長に笑われると思ってた。

おまえが、男に振られたくらいで、会社を休むのかって。

でも違った。


『そう言う時、あるよな。』

『部長にもあるんですか?』

『あるよ。だけど俺は責任ある立場だから、休めないけどな。』

その時は、相手が心だって分からなくて、部長を振るような女がこの世にいるんだって、漠然と思っていた。


『部長は、寂しくないですか?』
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