不誠実なカラダ
『寂しいよ。』

『その心を、埋めたくはならないですか?』

『なるよ。』

『その相手、私がなりますか?』

部長は、私を見て驚いていた。


『お互い、満たされない心を埋める相手。』

そう言って部長の手の上に、手を重ねて、気づいたら、部長に激しく抱かれていた。


どれだけ相手の事を好きなのよと、その時は思ったけれど、その相手が心だって知って、どこかで納得した。

心は、お淑やかなお嬢様系なのに、しっかりしていて、家庭的。

男が結婚したい女のイメージ、そのモノだった。

部長はもう28歳だから、そう言う女に引っ掛るのも、無理ないと思った。


「心に告白すればいいのに。」

「したよ。返事はまだだけどな。」

それを聞いて、胸がチクッとなったのは、なぜなんだろう。

「……いい返事が、来るといいですね。」

「ああ。」


そうなれば、この関係は終わりを迎えるだろう。
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