不誠実なカラダ
心が部長の想いを受け入れれば、部長の心の隙間は無くなる。

私は必要がなくなる。

そして、私は?

一人寂しく、尚太を忘れるしかないんだな。


でも、そんな状況が訪れないと知った。

部長と、ホテルのバスタブに、一緒に浸かっていた時だ。

「倉本に、振られたよ。」

バスタブから両手を出しながら、私は目を丸くした。

「えっ?」

「だから、倉本とはダメだったんだよ。」


意外だった。

心はてっきり、部長の告白を受けると思っていたから。

「残念?」

「残念だな。」

「寂しいですか?」

「寂しいだろう。」

私は部長と向かい合って、両足を広げた。


「ねえ、お風呂の中で抱いて。」

部長はため息をつきながら、私に近づいた。

「お風呂の中は、意外と滑らないんだよ。」

そう言いながらも、部長は私とどうにか繋がると、バスタブの水がバシャバシャ言う程に、激しく腰を振った。


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