不誠実なカラダ
「……くっ!」

部長が絶頂に達した事を感じながら、はぁはぁと息を切らす。


「満足したか?」

仰向けになった部長が、静かに聞いてきた。

「はい。」

布団で前を隠しながら、私は背中を向けた。

「それはよかった。」

部長も、私に背中を向け、スーッと寝息を立て始めた。


これは、自分が望んだ事。

相手に愛情も無く、まして相手にも、望んでいない。

それなのに、なぜこんなにも、胸が締め付けられるのだろう。


結論。

体だけの関係では、心は満たされない。

分かった、つもりだった。
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