不誠実なカラダ
そのうちオーナーが、私と心を引き離して、心を店から出した。

残ったのは、息遣いの荒い私だけ。

「環奈、落ち着けよ。」

あんなに好きな尚太だったのに、今は顔も見たくない。


「どうして、そう言う考えしか、できないんだよ。」

尚太は、私の憐むように言った。

「最初は、俺の一目惚れだったかもしれないけど、ちゃんと心の中身を知って、彼女を好きになったんだ。物を貰ったんじゃない、気持ちを貰ったんだ。」

「なに、カッコつけてんのよ!」

私は、尚太に叫んだ。

「何が気持ちよ。ずっと一緒にいたわけじゃないのに、そんなモノある訳ないでしょ!」


そうよ。

気持ちなんて、そんなモノある訳がない!


「それとも、心の体がよかったの?」

私は、尚太に近づいた。

「抱いたんでしょ?心の事。聞いたもの。」

尚太は、私の顔をジーッと見ているだけ。
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