不誠実なカラダ
私は、顔から火が飛び出る程、赤くなった。

イ、イクッて……

私まだ、男の人に抱かれて、イッた事がない。


「ん?」

部長に振り向かれて、私は慌てて顔を手で覆った。

「部長はその……」

「うん。」

「女性を、イカせた事があるんですか?」

「ああ、ほぼ毎回。」


きゃあああああ!

私は想像しえない状況に、心の中で叫び続けるしかなかった。

そ、そんなに上手かったの!?

部長!!


「だから、この前も申し訳なかったなと思って。」

「申し訳ない?」

私の頭の上に、クエスチョンマークが飛んだ。

「ほら、男はさ。毎回イクのに、女はそう言う事ないだろう?」

経験もないのに、私は頷いてしまった。

「だから、本当に満足したか、分からないんだ。」


その瞬間、部長が可愛く見えた。

「要するに、女性にも喜びを感じて貰いたいって事ですか?」

「そうだな。」

ニコッと笑った部長は、間違いなく私の胸をキュンとさせた。
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