不誠実なカラダ
そんな私にも、本当のところ、好きな人がいる。

よく通うお店・sunsetのバーテンダー、宮島尚太だ。

でも最近、新しい女ができたって噂があって、私は失恋をした。


「はい、環奈の好きなモスコミュール。」

尚太は、私が注文しなくても、飲みたいカクテルを作ってくれる。

そんなところに、惚れてしまった。

しかも、私の好みの細い体。

あの体で抱かれたら、どんなにとろけてしまうんだろう。

そんな事を考えるだけで、体が火照ってくる。


「ねえ、尚太はどんな女が好き?」

「うーん。」

尚太は、グラスを拭きながら、考えている。

「そうだな。一人でバーに飲みに来れるくらいカッコ良くて、その上飲むお酒が、ウォッカときたら、相当イイ女だと思うけどね。」

私は今、一人でバーのカウンターにいる。

モスコミュールも、ウォッカにライムとジンジャーエールを入れたお酒だ。

「それって……私の事?」
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