月曜日、いつもの席で。

「お待たせしました…。」


おそるおそる焼き鳥とお酒を置くと、常連さんはいつものように手を合わせたあとお酒を飲み始めた。


ガラガラッ


「いらっしゃいませー!」


新たなお客さんが4人入ってきた。見ない顔だな。初来店かな?


「ご来店ありがとうございます!カウンターとテーブル、どちらになさいますか?」


「テーブルで!」


「承知しました!こちらへどうぞ!」


「あっれ、榎本さんじゃないっすか!」


私がテーブル席に案内しようとすると、お客さんの一人がそう言った。


話しかけたほうを見ると、それはあの常連さんだった。


…榎本さんっていうんだ。



「飲んでるなら言ってくださいよ!榎本さん、ここによく来るんですか?」


「……………」


同じ会社の人だろうか。4人のうち、一人が話しかけている。
常連さ……、榎本さんは、なにも言わない。


「よかったら、一緒に飲みません?」


「おい…、佐川やめろよ………」

なぜか榎本さんを誘っていた人を他の3人が困ったように咎めた。


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