月曜日、いつもの席で。
「店長、今日俺ウーロン茶で。」
「……………え………いいのかい?」
店長はひどく驚いたような顔をしていた。
「ああ。今日七瀬さん送ってくわ」
「…えっ、え!いいですよ!申し訳ないです!」
突然の急展開に私は首を横にふる。
「こんな時間に一人で帰るの危ないだろ」
それに、俺のせいだし。と榎本さんは小さく呟く。
ちょっとすねた感じが、かわいい…。
って、そうじゃなくて!
「でも、飲みに来たのに……、お言葉に甘えさせていただくとしても、電車で一駅なので、お酒は飲んでください!」
私がそう言うと、榎本さんは困ったように言った。
「……いや、ほら。間違ってもそんなことはしないけどさ、お酒が入ってるおっさんと女子高生が夜中に一緒にいるのはなにかとまずいっしょ」
「え、榎本さんはおっさんなんかじゃないです!」
「いや、俺もう27だよ?女子高生からすればおっさんだろー」
それに顔もいかついからさーという榎本さんに、思わず笑ってしまった。
「拓ちゃん、その目付きの悪さどうにかなんないの?」
はい、ウーロン茶。と店長が榎本さんと私の分まで持ってきてくれた。