月曜日、いつもの席で。


店長がウーロン茶のおかわりと共に、お味噌汁を持ってきてくれた。


「これでも飲んで、暖まって帰んな!」


「店長、ありがとう」


「私の分まで…ありがとうございます」


店長のお味噌汁はちょっぴり濃い味付けだけど、それが体に染みて暖かい。


…小さい頃に作ってもらったお母さんのお味噌汁とは、少し違う味。



「拓ちゃん、仕事のほうはどうなの」


「あーいま新たなプロジェクト始動して忙しいんだよ。
今日もそれで遅くなった」


「ほー、大変だねえ」


「まあ、俺がチーフ任されてんだけどなかなか上手く出来なくてさ」


はぁ…とため息をつく榎本さん。


「…佐川さん」


私はポツリと呟いた。


「…ん?」


「佐川さん、榎本さんと仲良くなりたいって言ってましたよ」


私が榎本さんの目を見て言うと、フッと視線をそらされた。





< 22 / 30 >

この作品をシェア

pagetop