軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「どういうことだ」
レイヴンの本気でわからないという表情に、彼は女性に興味がないのと同じで結婚にも興味がないのかもしれない。
だから簡単に、匿うためとはいえ軽々しく結婚を決めることができるのだとさらに落ち込む。
その間にも式は粛々と進み、大詰めを迎えて誓いの言葉へと移る。
「汝、レイヴン・ヴォルテールはセレアを妻とし、永遠に愛し添い遂げることを誓いますか?」
「この魂に、命に賭けて誓う」
神父の言葉にレイヴンは胸元に手を当てると迷わず誓う。そして神父の視線がセレアに移った。