軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
(俺のどこが、歪んでいるというのだ?)
お前には言われたくないと、抗議を込めて目の前の男を睨みつける。
そんなことをしたところで、この男には痛くも痒くもないのだろうが、こちら腹の腹の虫がおさまらないのだ。
ただでさえ、セレアにお預けを食らうのみならず、喧嘩別れのようになってしまっている。
冷静だと自負していたのだが、苛立ちを抑えきれない自分に初めて出会い戸惑っていた。
ゆえに、ささいなことが今は癇に障る。