軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「悪いが、俺はまだ足りん。セレアも心を決めろ」
(あ……)
嬉しいと思った。まだまだ彼の熱に溺れていたいと思っていたセレアの体は、じんわりと熱を持ち始め、彼を受け入れる準備をする。
「もう、レイヴンったら」
(なんて言いながら、きっと私が一番喜んでいるのよ)
艶のある笑みを浮かべた彼の冷たい指先が、唇をなぞる。ふたたび訪れる熱の予感に、セレアはそっと目を閉じたのだった。