軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う


「なぜ、執務室ではなく庭園なのかしら?」


 レイヴンは今、民の意見をもとにパゼル帝国との条約の改正に追われている。


表面上は落ち着いているが、まだまだ外交問題に発展しかねない問題が起きているのも事実。


ふたつの国がこれからも友好関係を築いていけるように、何度も条約は見直しが必要なのだ。



 なのでこの時間は大体、彼は執務室にこもりっきりのはず。


 不思議に思いながらも、夫に会える喜びにセレアはせっせと身支度を済ませて、言われた通りの場所へ向かった。


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