軍人皇帝はけがれなき聖女を甘く攫う
「私の純潔は、あなたに捧ぐわ」
「大事にする」
(まるで、一生分の幸福を使い果たしてしまったみたい)
心が満たされて、この島を囲む瑠璃色の海のように光る涙がこぼれる。そんなセレアも美しいと慈しむように、レイヴンが唇で雫を拭ってくれた。
そしてゆっくりと唇が重なると、愛する人と同じ気持ちであることを伝えるように自分からも彼を求める。
何年、何十年という月日が経ったとしても、セレアの心は彼に攫われ続けるのだろう。
そして永遠に甘やかな彼の腕の中に囚われながら、愛でられ生きていくのだ。